世界のテーマ(長い目で見るファンダ)

毎日の金利や指標の裏にある、ゆっくり動く大きな流れを国ごとに比べました。2026-10-22時点でまとめた内容です。数字は手で確かめて更新しています(自動では変わりません)。
高齢化人口とお年寄りの増え方 金を買う中央銀行どの国が金を買っているか 国の借金GDPの何%あるか 経常収支海外から稼いでいる国・払っている国 産油国と原油誰が作っているか・いま何が起きているか

① 高齢化:日本は「お年寄りの人数」が最初に増えなくなる国

1.06倍日本の65歳以上(2025→2050年)。2045年ごろに頭打ち
30%→37%それでも日本の高齢化率は上がる。人口が1.23億→1.05億人に減るため
39%韓国の2050年の高齢化率。2045年ごろ日本に並び、追い抜く
3.9億人中国の65歳以上(2050年)。日本の総人口の3倍以上

高齢化率の移り変わり 人口のうち65歳以上の割合

0%10%20%30%40%202520302035204020452050韓国 39%日本 37%中国 31%ドイツ 30%イギリス 25%インド 15%

国別の比較 2050年の高齢化率が高い順

国高齢化率
2025
高齢化率
2050
65歳以上
倍率
総人口
倍率
韓国20%39%1.700.87
イタリア25%37%1.290.88
スペイン22%36%1.560.94
ポーランド21%32%1.320.86
中国15%31%1.840.89
ドイツ24%30%1.190.93
フランス22%27%1.251.02
スウェーデン21%26%1.301.06
イギリス20%25%1.361.09
アメリカ18%23%1.381.10
インド7%15%2.281.15
高齢化率=人口のうち65歳以上の割合。倍率=2025年を1としたときの2050年の大きさ(1.00より上なら増える)。

タイプ分け

  • 先頭ランナー:日本。人口が減る中での高齢化を世界で最初に経験
  • 猛追型:韓国・中国・イタリア・スペイン。人数の多い世代がこれからお年寄りになる
  • 遅れて頭打ち:ドイツ(2040年ごろ増加が止まる)、ポーランド(2040年代から急に進む)
  • ゆるやか型:イギリス・フランス・アメリカ。出生率が比較的高く移民も多い
  • まだ若い国:インド。2050年でも高齢化率15%

相場目線のヒント

  • 働く人が減って貯金を取り崩す人が増えると、成長や金利が上がりにくくなると言われる
  • 人手不足で給料が上がり、物価を押し上げる(インフレ圧力)という見方もある
  • 年金・医療のお金が増えるので、国の借金(③)とセットで見られやすい
出典:国連「World Population Prospects 2024」中位推計(いちばん標準的な予測)、Our World in Data経由。倍率と割合はこのデータから計算。

② 金を買う中央銀行:3年続けて年1,000トン超、2025年も高水準

863トン2025年に世界の中央銀行が買い越した金。2022〜24年は毎年1,000トン超
473トン2010〜2021年の平均。ここ数年はその約2倍のペース
23か月連続中国の人民銀行が金を買い続けている期間(2026年9月まで)。9月は約21トン(報道により21〜23トン)と約3年ぶりの大きさ

世界の中央銀行の年間の買い越し

2010〜21年平均
473t
2022〜23年
1,000t超
2年とも1,000トンを超えた
2024年
1,092t
2025年
863t
年間の数字は、公表されていない購入の推計を含みます(2025年は約57%が推計分)。

2026年1〜8月:買った国・売った国

ポーランド
+98t
保有648t。目標は700t
中国
+80t
保有約2,387t(外貨準備の9%)。9月も約+21t
ウズベキスタン
約+50t
保有約439t(外貨準備の90%)
カザフスタン
約+36t
保有約377t(外貨準備の79%)
チェコ
+14t
42か月連続で購入
ロシア
−56t
保有2,271t
トルコ
−82t
売りは主に1〜3月。8月は買いに戻った
各国が公表した数字の合計。下の小さな文字は保有量と、外貨準備(国が持つ外貨や金の合計)に占める金の割合。

なぜ買うのか

  • ドルだけに頼りたくない:2022年にロシアの外貨準備が凍結されて以降、ドルなどの資産は制裁で使えなくなるリスクがあると意識されるようになった
  • どの国の借金でもない資産:金は特定の国の信用に左右されにくい
  • インフレや有事への備え:物価高や戦争のときに価値が残りやすい
  • トルコやロシアの売りは、自国通貨の防衛や国の支出のための売却とみられている

相場目線のヒント

  • 中央銀行は値段が下がった場面でも買うことが多く、金価格の下支えになりやすいと言われる
  • 中国の保有量は毎月7日ごろ人民銀行が発表。連続購入が止まるかどうかは注目点
  • 世界の集計は、ワールド・ゴールド・カウンシル(金の業界団体)が毎月上旬にまとめる

③ 国の借金:日本はGDPの約2倍で世界トップクラス

政府の借金(GDP比、2026年の予測)

日本
204%
イタリア
138%
アメリカ
126%
フランス
118%
カナダ
111%
中国
107%
イギリス
102%
ドイツ
65%
オーストラリア
61%
ニュージーランド
57%
韓国
54%
スイス
38%
GDP=その国が1年で生み出す稼ぎの合計。100%なら「1年分の稼ぎと同じだけ借金がある」。縦の線が100%の位置です。

読み方

  • 日本:借金は最大だが、国債の大半を国内(日銀・銀行など)が持っていて、海外にも大きな資産がある。そのため急に売られにくいと言われてきた。ただ金利が上がると利払いが増える
  • アメリカ:借金に加えて毎年の赤字も大きい。国債の入札(国が借金するときのオークション)の不調や格付けのニュースで金利が動きやすい
  • フランス・イタリア:ユーロ圏の不安材料になりやすい。予算をめぐる政治の混乱がユーロ売りにつながることがある
  • ドイツ・スイス:借金が少なく、不安なときにお金が逃げ込みやすい

相場目線のヒント

  • 財政への不安が強まると、国債が売られて金利が上がり、同時に通貨も売られることがある(2022年のイギリス「トラス・ショック」が有名)
  • 普通は金利が上がると通貨は買われるので、「金利上昇なのに通貨安」は財政不安のサイン
  • 選挙・予算案・格付け変更の前後は要注意
出典:IMF「World Economic Outlook」2026年4月版の予測(一般政府の総債務)。まとめ、イギリス・ニュージーランドはIMFデータの集計サイトから。予測は版ごとに見直されます。

④ 経常収支:日本は「モノ」ではなく「投資」で稼ぐ国に

経常収支=海外とのお金のやりとりの合計(モノの貿易+サービス+海外投資の利子・配当など)。黒字なら海外から稼いでいる国。
+31.8兆円日本の2025年の経常黒字。比べられる1985年以降で過去最大
+7,349億ドル中国の2025年の経常黒字。過去最大
−1.12兆ドルアメリカの2025年の経常赤字(GDP比 −3.6%)

主な国の経常収支(GDP比)

韓国
+6.6%
2025年 +1,231億ドル(過去最大)
日本
+5.0%
2025年 +31.8兆円
ドイツ
+4.5%
中国
+3.7%
2025年 +7,349億ドル
イタリア
+1.1%
フランス
−0.4%
インド
−0.7%
カナダ
−0.9%
オーストラリア
−2.6%
イギリス
−2.4%
2025年10〜12月の数字
アメリカ
−3.6%
2025年 −1.12兆ドル
緑=黒字、赤=赤字。アメリカは2025年の実績、日本・韓国は2025年の実績額からの概算、ほかはIMFの2025年の推計。

日本の2025年の中身

項目金額ひとこと
第一次所得収支+41.6兆円海外投資の利子・配当。日本の稼ぎの柱
旅行収支+6.3兆円訪日客の消費。過去最大
貿易収支−0.8兆円モノの輸出入。赤字は縮小
サービス収支−3.4兆円研究開発費やネットサービスの支払いなど

読み方

  • 日本:昔は輸出で稼ぐ国だったが、今は海外の工場や投資からの利子・配当で稼ぐ形に変わった
  • 中国・ドイツ・韓国:モノの輸出で大きく稼ぐ国。中国の黒字は貿易摩擦(関税)の火種になりやすい
  • アメリカ・イギリス・オーストラリア:赤字の国。海外からお金が入ってこないと支えられない

相場目線のヒント

  • 日本の黒字は過去最大でも、利子・配当の多くは海外でそのまま再投資され、円に替えられにくい。そのため「黒字なのに円が強くならない」と言われる
  • 赤字の国の通貨は、世界の不安が高まってお金の流れが止まると売られやすい(ポンド・豪ドルなど)
  • 日本の国際収支は毎月上旬に財務省が発表
出典:財務省 国際収支(報道)、米商務省 BEA、中国 国家外貨管理局(報道)、韓国銀行(報道)、IMF World Economic Outlook、英国 ONS

⑤ 産油国と原油:アメリカが世界一、中東は戦争で輸出が乱れる

1,360万アメリカの原油生産(バレル/日、2025年)。過去最高で世界一
100ドル超北海ブレント原油(10月。22日には一時111ドル台)。イランとの戦争前は70ドル台
5月1日UAEがOPEC・OPEC+を脱退。約60年ぶりの大きな変化

原油の生産量トップ10(2025年)

アメリカ
13.6
ロシア
9.9
サウジアラビア
9.6
カナダ
5.0
イラク
4.4
中国
4.3
イラン
4.1
UAE
3.8
2026年5月にOPEC+を脱退
ブラジル
3.8
クウェート
2.6
単位:百万バレル/日。青=OPEC+のメンバー、灰色=それ以外(UAEは2026年5月に脱退)。

2026年に起きていること

  • イランとの戦争:2月末に始まった米国・イスラエルとイランの戦争で、ホルムズ海峡(ペルシャ湾の出口)を通る輸送が乱れている。10月もタンカーへの攻撃が続き、値動きが荒い
  • UAEの脱退:生産の制限に不満があり、サウジとの関係も冷えたことが背景。脱退でOPEC+の世界シェアは約46%→約42%に下がった
  • OPEC+の方針:主要7か国(サウジ・ロシア・イラク・クウェート・アルジェリア・カザフスタン・オマーン)は11月も生産目標を据え置き。次の会合は11月1日

相場目線のヒント

  • 日本は原油の9割以上を中東から輸入。原油高は貿易赤字を広げ、円安の材料になりやすい
  • カナダドルは原油と一緒に動きやすい(カナダは世界4位の産油国)。ノルウェー・クローネも同じ
  • 原油高は物価を押し上げるので、各国の中央銀行が利下げしにくくなる(金利の見通しにも影響)
  • ホルムズ海峡のニュースと、OPEC+の会合(毎月はじめ)は要チェック
出典:米エネルギー情報局(EIA)のランキング(Forbes経由。カナダは数え方が少し異なる)、EIA(UAE脱退の影響)、PBS、OPEC+会合(10/4)の報道、ブレント原油の値段(10/22)
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